RDSのServerless v1が2024年12月31日でサポート終了です。
なんかAWSからアナウンスはあったけど、まだ先だからいいやーと先延ばしにしてきたんですが、気がつけばもう3ヶ月ぐらいになってるではありませんか!
DB クラスターを Aurora Serverless v1 から Aurora Serverless v2 にアップグレードってクラスターの変更で切り替えるぐらいでしょ?
と思ってたら、そんな簡単な話ではありませんでした。
Aurora Serverless v1 から Aurora Serverless v2 に直接変換できないようなので、面倒くさいのですが、やっていきたいと思います。
準備
Serverless v1を作成する
MySQL5.7からMySQL8.0系へのバージョンアップ実験も兼ねて、データベースエンジンはサポート終了間近のMySQL 5.7を使ってみます。
aws rds create-db-cluster --db-cluster-identifier test-db-cluster ^
--engine aurora-mysql --engine-version 5.7 ^
--engine-mode serverless ^
--scaling-configuration MinCapacity=2,MaxCapacity=4,SecondsUntilAutoPause=1000,AutoPause=true ^
--master-username username ^
--master-user-password password123
LinuxやMacの方は、 ^ を \ に変換してください。
Windowsの場合は、コマンドプロンプトを起動して、コピペします。
強制的に貼り付けして大丈夫です。
コマンドが成功すると、このように表示されて、クラスターの生成が始まります。
C:\>aws rds create-db-cluster --db-cluster-identifier test-db-cluster ^
More? --engine aurora-mysql --engine-version 5.7 ^
More? --engine-mode serverless ^
More? --scaling-configuration MinCapacity=2,MaxCapacity=4,SecondsUntilAutoPause=1000,AutoPause=true ^
More? --master-username username ^
More? --master-user-password password123
DBCLUSTER 1 True 1 2024-09-18T07:30:30.515000+00:00 False False arn:aws:rds:ap-northeast-1:771722137126:cluster:test-db-cluster test-db-cluster default.aurora-mysql5.7 default cluster-N4YTTEY5IB7XFVSEV2QOCE2HQE False test-db-cluster.cluster-cqf3lwdabwtc.ap-northeast-1.rds.amazonaws.com aurora-mysql serverless 5.7.mysql_aurora.2.11.4 Z24O6O9L7SGTNB False False arn:aws:kms:ap-northeast-1:771722137126:key/d59d55de-fdca-4563-8daa-64034d8a882e username False IPV4 3306 16:35-17:05 sun:17:07-sun:17:37 test-db-cluster.cluster-ro-cqf3lwdabwtc.ap-northeast-1.rds.amazonaws.com creating True
AVAILABILITYZONES ap-northeast-1c
AVAILABILITYZONES ap-northeast-1a
AVAILABILITYZONES ap-northeast-1d
VPCSECURITYGROUPS active sg-bdbf8cf3
マネジメントコンソールのRDS画面で確認すると、ステータス「作成中」で作成されています。
ステータスが「利用可能」になればクラスター作成完了です。
データベースを複製する
Aurora Serverless v1のスナップショットを取得
Serverless v1からv2に直接変更することができないのですが、一度スナップショットを作成してそこから新しいクラスタを復元する方法で迂回することができます。
DBクラスターを選択し、対象のクラスター名をプルダウンリストから選んで、スナップショットの名前を付けます。
スナップショット一覧画面に戻ると、ステータスが「作成中」で表示されますので、しばらく待ちます。
ステータスが「利用可能」になると、スナップショットの取得は完了です。
Aurora Serverless v1のスナップショットを復元
先ほど作成したスナップショットからデータベースクラスターを復元します。
キャパシティタイプは「プロビジョニング済み」を指定します。
利用可能なバージョンはデフォルト(スナップショットを取得した時のバージョン)のままで良いです。
ちなみに違うバージョンでリストアしようとするとエラーになります。
インスタンスの設定、db.r6g.2xlargeというのが初期選択されていて、意外と大きいサイズになっているので、ちょっと注意が必要です。金額調べていないですが、個人が勉強で使うには高価でオーバースペックです。
テストでお試しするなら、一番小さいサイズが無難です。私は、db.r5.large にしました。
復元の設定が終わったら、DBクラスターを復元ボタンを押します。
データベース一覧に新しくクラスターが登場します。
ステータスが「利用可能」になれば復元完了です。
MySQL 5.7から8.0へバージョンアップ
MySQLのバージョンアップは、DBクラスターの変更画面で実行できます。
MySQLのバージョンを5.7から8.0に変更します。
変更のスケジュールを指定してクラスターの変更をするとバージョンアップできます。
今回はすぐに適用してみました。一覧画面のステータスがアップグレード中の表示に切り替わります。
しばらく待つとステータスが利用可能になったら、MySQLのバージョンアップは完了です。
ProvisionedインスタンスをServerless v2へ変更
MySQL8.0にバージョンアップできれば、Serverless v2を利用することができます。
DBクラスターではなく、DBインスタンスの方を選択して、変更ボタンを押します。
インスタンスの設定画面で、DBインスタンスクラスの部分に「Serverless v2」が追加されていると思いますので、これを選択します。
Serverlessの場合は、データベースのサイズをインスタンスタイプではなく、ACUという単位で指定します。
今回は最小構成(最小キャパシティ:0.5ACU、最大キャパシティ:1.0ACU)としました。
DBインスタンスクラスがとキャパシティのところが切り替え内容が確認できます。
Servlessに変更には時間がかかりますので、しばらく待ちましょう。
ステータスが利用可能になれば、Serverless v2への変換が完了です。
接続用のエンドポイントを変更したくない場合
ここまで作業が完了すると、古いクラスター(v1)と新しいクラスター(v2)ができあがった状態になります。データベースへの接続先を新しいクラスターのエンドポイントに変更すれば新しい方に接続できます。
アプリ側の変更をしたくないからエンドポイントはそのままがいい、という場合は、古いクラスターの識別子を変更して、新しいクラスターに古いクラスター識別子をつければ解決です。
- 旧:db-prod
- 新:db-prod-new
- 古いクラスター名を変更:db-prod ⇒ db-prod-old
- 新しいクラスター名を変更:db-prod-new ⇒ db-prod
新旧両方のデータベースを残せる
この方式だと旧データベースもそのまま残りますので、切り替え後になにか不具合が生じた場合でも古いデータベースに接続することで切り戻しができますし、調査もやりやすいです。
その場合、古いデータベース(Serverless v1)をそのまま残しておくと課金されてしますが、データベースへのアクセスがない時に停止することができる設定があるので紹介します。
Serverless v1のクラスタの設定変更で、ACUを指定するセクションに、「クラスターがアイドル状態の時に容量を0ACUにスケールする」というチェックボックスがあります。
これにチェックを付けるとデータベースへのアクセスがなくなって一定期間経つと、データベースが停止します。停止中は課金されませんし、ここがゼロの状態でシステムできちんと稼動すれば、旧データベースにはアクセスせずに動作している確認にもなりますので、オススメです。
まとめ
みなさん、無事にServerless v2に移行できましたか?
最後にポイントだけ整理して終わりにします。
- Serverless v1のサポート終了日は、2024年12月31日
- 延長サポートはなく、サポート終了と同時にServerless v2に強制アップグレード
- 放っておいても自動でv1からv2にアップグレードされる
- システムで使っているデータベースなら自動は危険、事前に手動でアップグレード確認して影響がない確認しておいたほうがよい
- Serverless v1からServerless v2へのダイレクト変換はできない
- Serverless v1のMySQL5.7を使っている場合は、MySQL 8.0にしないといけない
今回紹介した方法はシンプルで簡単ですが、システムを停止する必要があるため、切り替え時間を短くしたい場合は、AWSが推奨するブルー/グリーンデプロイの方がよいかもしれません。
それではまた!
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